いざ動物病院に着いて「いつからですか?」と聞かれ、「えっと…先週くらい…いや今週かも」と曖昧になってしまった経験はないでしょうか。猫は診察室では緊張して普段と違う様子になることが多く、獣医師が判断材料にできるのは 飼い主が家で見てきた情報 です。ここでは、実際の診察で役に立つメモの作り方を、そのまま書き写せる形で紹介します。
問診で聞かれる内容は、おおむね次の7つに集約されます。
このうち 回数と量は、記憶ではなく数字で 伝えられると診断の精度が上がります。「よく吐きます」と「1日3回、3日連続で吐きました」では、獣医師が考える範囲がまったく違ってきます。
スマートフォンのメモ帳にコピーして、空欄を埋めるだけで使えます。
【受診メモ】 ■ 猫の情報 名前/年齢/性別・避妊去勢の有無/体重( kg・ 月 日測定) ■ 今日いちばん心配なこと (1つだけ書く) ■ いつから 月 日の(朝・昼・夜)ごろから ■ 症状の詳しい様子 ・頻度:1日 回/ 日連続 ・変化:増えている・減っている・変わらない ・直前にあったこと:(フードを変えた/来客/引っ越し/同居猫と喧嘩/落下 など) ■ 食事 ・フード名: ・1日の量: g(普段は g) ・食欲:普段の 割くらい ■ 水 ・普段より(多い・少ない・変わらない) ■ 排泄 ・おしっこ:1日 回(普段 回)/塊の大きさ(大きい・小さい・変わらない) ・うんち:1日 回(普段 回)/硬さ(普通・軟らかい・下痢・出ていない) ・色や血の有無: ■ 持病・飲んでいる薬・サプリ ■ ワクチンの最終接種: 年 月ごろ ■ 聞きたいこと(3つまで) 1. 2. 3.
最後の「聞きたいこと」は特に重要です。診察が終わって会計を待っているときに「あれを聞き忘れた」と気づくのは、とてもよくあることです。3つまでに絞って書いておくと、限られた診察時間で確実に聞けます。
次の症状は、口頭説明では正確に伝わりにくいものの代表です。診察室では出ないことも多いため、家で撮っておくのが確実です。
写真で残しておくと役立つのは、嘔吐物・便・尿の実物 です。色と量がわかるよう、そばに定規かコインを置いて撮ると比較しやすくなります。可能であれば現物をビニール袋やラップに包んで持参すると、検査に回せることもあります。
体温を測れる場合は、それも有力な情報です。測り方は 猫の平熱は何度?体温の測り方と手順 にまとめています。
時間外の受診では、電話の段階で状況を伝えることになります。このとき最優先で伝えるべきは、①呼吸の状態 ②意識の状態 ③いつからか の3つです。
「口を開けて呼吸している」「呼びかけに反応が鈍い」「おしっこが出ていない」といった内容は、受け入れ可否や緊急度の判断に直結します。細かい経過は到着してからで構いません。
費用面が気になる場合は、電話の時点で「時間外料金はいくらか」を聞いておくと安心です。時間帯別の目安は 猫の夜間救急はいくら?時間外診療の目安 にまとめています。夜間の緊急対応は日中より費用がかさむため、あらかじめ備えを整えておくという選択肢もあります。ペット保険「うちの子」の詳細を見る
そのような心配はほとんど不要です。獣医師にとって、家での様子は診察室では得られない情報であり、正確な経過が分かるほど検査の絞り込みがしやすくなります。ただし、A4数枚にわたる長文よりは、上のテンプレート程度に整理されているほうが実際に読まれやすくなります。
「いちばん最近始まったもの」ではなく、「いちばん心配なもの」を主訴にしてください。そのうえで、他の症状は時系列で並べて書いておけば十分です。複数の症状がつながっている場合、その並び自体が診断の手がかりになります。
思い出せる範囲で「◯月ごろ」と書けば問題ありません。曖昧な記憶を確定情報のように伝えるほうが、かえって誤解のもとになります。分からない項目は空欄のまま持っていき、「そこは覚えていません」と伝えるのがいちばん正確です。次回に備えて、体重と気づいたことだけでも月1回記録しておくと、こうした場面でぐっと楽になります。
監修:Withねこ合同会社(第一アイペット損害保険 代理店)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、獣医学的な診断・治療を保証するものではありません。愛猫の状態が気になる場合は、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。