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動物病院で伝えること|受診メモの書き方

作成者: |2026/08/16 2:24

この記事の要点

  • 診察室で聞かれるのはほぼ決まっていて、「いつから・どのくらいの頻度で・何が変わったか」 の3点です。
  • 事前にメモを用意しておくと問診が数分短くなり、その分を検査や説明の時間に回せます。
  • 言葉で説明しにくい症状(歩き方・呼吸・けいれん)は、10秒の動画1本が何よりも正確です。

いざ動物病院に着いて「いつからですか?」と聞かれ、「えっと…先週くらい…いや今週かも」と曖昧になってしまった経験はないでしょうか。猫は診察室では緊張して普段と違う様子になることが多く、獣医師が判断材料にできるのは 飼い主が家で見てきた情報 です。ここでは、実際の診察で役に立つメモの作り方を、そのまま書き写せる形で紹介します。

獣医師が知りたい7項目

問診で聞かれる内容は、おおむね次の7つに集約されます。

  1. 主訴:今日いちばん心配していること。1つに絞ります。
  2. いつから:具体的な日付。「3日前(8月13日の夜)から」のように書きます。
  3. 頻度と回数:1日に何回か。増えているか減っているか。
  4. 食事と水:フードの銘柄、1日の量、食べた量の変化、水を飲む量の変化。
  5. 排泄:おしっこの回数と塊の大きさ、うんちの回数と硬さ、色の変化。
  6. 体重:直近の数値と、前回いつ測ったか。
  7. 既往歴と投薬:持病、飲んでいる薬とサプリ、ワクチンの最終接種時期。

このうち 回数と量は、記憶ではなく数字で 伝えられると診断の精度が上がります。「よく吐きます」と「1日3回、3日連続で吐きました」では、獣医師が考える範囲がまったく違ってきます。

そのまま使える受診メモのテンプレート

スマートフォンのメモ帳にコピーして、空欄を埋めるだけで使えます。

【受診メモ】

■ 猫の情報
名前/年齢/性別・避妊去勢の有無/体重(  kg・ 月 日測定)

■ 今日いちばん心配なこと
(1つだけ書く)

■ いつから
  月  日の(朝・昼・夜)ごろから

■ 症状の詳しい様子
・頻度:1日  回/  日連続
・変化:増えている・減っている・変わらない
・直前にあったこと:(フードを変えた/来客/引っ越し/同居猫と喧嘩/落下 など)

■ 食事
・フード名:
・1日の量:  g(普段は  g)
・食欲:普段の  割くらい

■ 水
・普段より(多い・少ない・変わらない)

■ 排泄
・おしっこ:1日  回(普段  回)/塊の大きさ(大きい・小さい・変わらない)
・うんち:1日  回(普段  回)/硬さ(普通・軟らかい・下痢・出ていない)
・色や血の有無:

■ 持病・飲んでいる薬・サプリ

■ ワクチンの最終接種:  年  月ごろ

■ 聞きたいこと(3つまで)
1.
2.
3.

最後の「聞きたいこと」は特に重要です。診察が終わって会計を待っているときに「あれを聞き忘れた」と気づくのは、とてもよくあることです。3つまでに絞って書いておくと、限られた診察時間で確実に聞けます。

言葉より動画が伝わる症状

次の症状は、口頭説明では正確に伝わりにくいものの代表です。診察室では出ないことも多いため、家で撮っておくのが確実です。

  • 歩き方の異常:横から10秒、歩いているところを撮る。どの足をかばっているかが一目で分かります。
  • 呼吸の様子:胸やお腹の動きが分かる角度で。寝ているときの静かな呼吸が理想的な素材です。
  • けいれん・発作:慌てず、可能なら時計が映る位置で。持続時間が重要な情報になります。
  • 咳・えずき:猫の咳は「吐こうとしている」ように見えるため、音が入るように撮ります。
  • 排泄の姿勢:トイレで踏ん張っているのに出ていない、という状況は緊急性の判断に直結します。

写真で残しておくと役立つのは、嘔吐物・便・尿の実物 です。色と量がわかるよう、そばに定規かコインを置いて撮ると比較しやすくなります。可能であれば現物をビニール袋やラップに包んで持参すると、検査に回せることもあります。

体温を測れる場合は、それも有力な情報です。測り方は 猫の平熱は何度?体温の測り方と手順 にまとめています。

持ち物チェックリスト

  • キャリー(上から入れられる型だと出し入れが楽)
  • 受診メモ(紙かスマートフォン)
  • 撮影した動画・写真
  • 今飲んでいる薬・サプリの現物かパッケージ
  • フードのパッケージ(写真でも可)
  • 過去の検査結果、他院で受けた場合は紹介状
  • ペット保険に加入していれば保険証券や会員証
  • タオル1枚(キャリーにかけると猫が落ち着きます)

夜間・救急にかかるときの伝え方

時間外の受診では、電話の段階で状況を伝えることになります。このとき最優先で伝えるべきは、①呼吸の状態 ②意識の状態 ③いつからか の3つです。

「口を開けて呼吸している」「呼びかけに反応が鈍い」「おしっこが出ていない」といった内容は、受け入れ可否や緊急度の判断に直結します。細かい経過は到着してからで構いません。

費用面が気になる場合は、電話の時点で「時間外料金はいくらか」を聞いておくと安心です。時間帯別の目安は 猫の夜間救急はいくら?時間外診療の目安 にまとめています。夜間の緊急対応は日中より費用がかさむため、あらかじめ備えを整えておくという選択肢もあります。ペット保険「うちの子」の詳細を見る

よくある質問

Q. メモを渡すと「細かすぎる飼い主」と思われませんか?

そのような心配はほとんど不要です。獣医師にとって、家での様子は診察室では得られない情報であり、正確な経過が分かるほど検査の絞り込みがしやすくなります。ただし、A4数枚にわたる長文よりは、上のテンプレート程度に整理されているほうが実際に読まれやすくなります。

Q. 症状がいくつもあるときは、どれを主訴にすればいいですか?

「いちばん最近始まったもの」ではなく、「いちばん心配なもの」を主訴にしてください。そのうえで、他の症状は時系列で並べて書いておけば十分です。複数の症状がつながっている場合、その並び自体が診断の手がかりになります。

Q. 前回の受診から時間が空いていて、経過を覚えていません。

思い出せる範囲で「◯月ごろ」と書けば問題ありません。曖昧な記憶を確定情報のように伝えるほうが、かえって誤解のもとになります。分からない項目は空欄のまま持っていき、「そこは覚えていません」と伝えるのがいちばん正確です。次回に備えて、体重と気づいたことだけでも月1回記録しておくと、こうした場面でぐっと楽になります。

監修:Withねこ合同会社(第一アイペット損害保険 代理店)

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、獣医学的な診断・治療を保証するものではありません。愛猫の状態が気になる場合は、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。