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猫の平熱は何度?体温の測り方と手順

猫の体温・平熱は何度?測り方3通りと受診ライン

この記事の要点

  • 猫の平熱は 38.0〜39.0℃。人より 1〜1.5℃ 高いのが正常で、子猫はやや高め、シニアはやや低めに出ます。
  • 家庭で最も正確なのは 直腸温(30 秒〜1 分)。耳式は 0.3〜0.5℃ 低く出やすいため、同じ方法で継続して比べるのが基本です。
  • 39.5℃ 以上で発熱、37.5℃ 未満で低体温を疑います。低体温のほうが緊急度は高く、重い状態のサインになることがあります。

猫の体温は平熱で 38.0〜39.0℃、人より 1〜1.5℃ 高いのが正常です。39.5℃ 以上なら発熱、37.5℃ 未満なら低体温を疑い、緊急度は低体温のほうが高くなります。「なんとなく熱っぽい気がする」を数字にできると、動物病院に電話するときの説明が一段はっきりします。猫の体温は人より高く、耳や肉球を触った印象だけでは判断できません。この記事では家庭でできる 3 通りの測り方と、それぞれの精度、そして測った数字をどう読むかを手順の形で整理します。慣れれば 1 分で終わります。

猫の平熱の範囲を知っておく

区分目安の体温備考
子猫(生後 6 か月未満)38.5〜39.5℃成猫よりやや高め。生後間もない時期は体温調節が未熟
成猫38.0〜39.0℃一般的な平熱の範囲
シニア猫(10 歳以上)37.5〜38.5℃やや低めに出やすい傾向
発熱を疑う39.5℃ 以上感染・炎症・熱中症などの可能性
低体温を疑う37.5℃ 未満ショック・重度の脱水・末期の状態など。緊急度が高い

大事なのは、その子自身の平熱を知っておくことです。同じ 38.8℃ でも、普段 38.2℃ の猫にとっては上がっている状態です。元気なときに 2〜3 回測って平均を控えておくと、異常時の判断精度が上がります。

また、測定値は状況で簡単に動きます。診察台の上で緊張しているとき、暴れた直後、暑い部屋にいた後は 0.5℃ 程度高く出ることがあります。落ち着いた状態で、できれば同じ時間帯に測るのが基本です。

測り方①:直腸温(最も正確)

動物病院で行われる方法と同じで、家庭で測れる中では最も信頼できます。ペット用の体温計、または人用の電子体温計(先端が柔らかいタイプ)を使います。

  1. 準備:体温計の先端にワセリンかベビーオイルを薄く塗ります。使い捨てのプローブカバーがあればなお衛生的です。
  2. 体勢:2 人いるなら 1 人が猫を優しく保定し、もう 1 人が測ります。1 人のときは猫を横向きに抱え、しっぽを軽く持ち上げます。
  3. 挿入:肛門に 1〜2cm だけゆっくり入れます。抵抗を感じたら無理に進めないでください。
  4. 待つ:電子式なら 30 秒〜1 分で計測音が鳴ります。
  5. 記録:数値と測った時刻をメモ。終わったら先端をアルコールで拭き取ります。

嫌がって暴れる場合は無理をしないでください。粘膜を傷つけるリスクがあり、猫にとっても体温計そのものが恐怖の対象になってしまいます。1 回で嫌がるようなら、次項の方法に切り替えるか、病院で測ってもらうほうが結果的に早いです。爪切りなど他のケアと同じで、短時間で切り上げて良い印象を残す進め方が有効です(猫の爪切り 嫌がる子への慣らし方 の考え方がそのまま応用できます)。

測り方②:耳式体温計(手軽だが誤差あり)

ペット用の耳式体温計は数秒で測れて猫の負担が小さい一方、耳道の形状や測定角度で値がぶれます。人用の耳式体温計は猫の耳道に合わないため、正確には測れません。

  • 直腸温より 0.3〜0.5℃ 低く出やすい傾向があります
  • 耳垢が多いと値が下がります。測定前に耳の中を軽く確認してください
  • 3 回測って中央の値を採用すると安定します
  • 外耳炎などで耳に炎症があるときは、その側だけ高く出ることがあります

使うのであれば「毎回同じ方法・同じ耳」で測り、絶対値ではなく前回との差を見る使い方が現実的です。

測り方③:触診でのおおまかな確認

体温計が手元にないとき、あるいは受診前の一次判断として使えます。数字は出ませんが、傾向はつかめます。

触る場所いつもより熱いいつもより冷たい
耳の付け根発熱の可能性低体温・末梢の循環低下の可能性
肉球発熱・興奮直後低体温を疑う重要なサイン
お腹(内股)発熱の可能性低体温の可能性
参考程度参考程度(乾いている=発熱、は誤解)

「鼻が乾いていたら熱がある」は広く知られた話ですが、猫の鼻は寝起きや室内の湿度でも簡単に乾きます。単独の判断材料にはなりません。触診で見るなら、耳の付け根と肉球の 2 か所が実用的です。

測った数字をどう読むか

体温だけで病名は分かりませんが、緊急度の判断には十分役立ちます。

  • 39.5〜40.0℃:発熱。他に症状がなければ半日ほど様子を見て、下がらなければ受診。食欲や元気がなければその日のうちに。
  • 40.0℃ 以上:高熱。感染症や熱中症の可能性があり、当日中の受診をおすすめします。夏場に高温環境から戻った直後なら熱中症を疑い、涼しい場所へ移して速やかに連絡を。
  • 37.5℃ 未満:低体温。発熱よりも危険なサインになりうる状態です。タオルや湯たんぽで保温しながら、すぐ動物病院に連絡してください。急激に温めるのは避け、緩やかに保温します。
  • 平熱だが元気がない:体温が正常でも病気は否定できません。食欲・排泄・呼吸数も一緒に記録して受診してください。

夏に高体温を確認した場合は、脱水が同時に進んでいることがほとんどです。飲水量の確認や水分補給の工夫については 夏の猫の脱水サイン — 水を飲ませる工夫 にまとめています。あわせて、ぐったりして動かない状態が続くときの受診判断は 猫がぐったりして動かない — 受診の目安と治療費 も参考になります。

猫の体温が高い・低いときに考えられること

体温の数値だけで原因は特定できませんが、「どの方向にどれくらい外れているか」で、考えられる背景と急ぎ方の見当はつきます。

体温考えられる背景(可能性)目安の対応
39.5〜40.0℃ウイルスや細菌の感染、口内や皮膚の炎症、ワクチン接種後の一時的な上昇、強い緊張・興奮落ち着かせて 1〜2 時間後に再測定。下がらなければ当日〜翌日に受診
40.0℃ 以上感染症、熱中症、膿瘍(けんかの傷)、免疫の異常など当日中に受診。暑い環境から戻った直後なら熱中症を疑って涼しい場所へ
37.5℃ 未満重い脱水、ショック、低血糖、腎臓や心臓の病気が進んだ状態、寒い環境での体温低下緩やかに保温しながら、すぐ動物病院に連絡
平熱だが元気がない体温に出ない病気は多い(慢性腎臓病、消化器の不調、痛みなど)食欲・排泄・呼吸数を記録して受診

発熱が確認できたときの受診の流れと検査・治療の費用は 猫の発熱|熱っぽいときの治療費、夏場に 40℃ を超えたときの対応は 猫の熱中症の治療費はいくら?受診の目安 にまとめています。

体温と一緒に見ておきたい数値(呼吸数・歯茎の色)

体温だけでは判断が難しいとき、あと 2 つ数えられるものがあります。安静時の呼吸数は 1 分あたり 20〜30 回が目安で、40 回以上が続く場合は体温に関係なく受診を検討します(猫の呼吸数の数え方|安静時の正常値)。また、低体温を疑うときは 歯茎の色が手がかりになります。健康な猫の歯茎は薄いピンク色で、白っぽい・紫がかっているときは循環が落ちている可能性があります(猫の歯茎の色チェック|危険な色と手順)。体温・呼吸数・歯茎の色の 3 つをセットで伝えると、電話相談の段階で緊急度を判断してもらいやすくなります。

記録の残し方

1 回の数値より、時系列のほうが情報量があります。次の形式でメモしておくと、診察のときにそのまま見せられます。

  • 日時(朝・夜のどちらかに固定すると比較しやすい)
  • 測定方法(直腸/耳・左右どちら)
  • 数値
  • そのときの様子(食欲、活動量、嘔吐・下痢の有無)
  • 室温(夏冬は特に)

スマホのメモでも十分です。手書きよりも、そのまま診察室で見せられる形が実用的です。

よくある質問

Q. 人用の体温計を猫に使ってもいいですか?

直腸で測る用途であれば、先端が柔らかいタイプの電子体温計は使えます。ただし猫専用にして人と共用しないでください。耳式については、人用は猫の耳道の形状に合わないため正確に測れません。

Q. 嫌がって暴れます。無理に測るべきでしょうか。

やめてください。粘膜を傷つける危険があるうえ、体温計への強い拒否感が定着します。触診で明らかにおかしいと感じるなら、その情報だけで受診して構いません。病院なら数十秒で正確に測れます。

Q. 猫の体温は 1 日の中で変わりますか?

変わります。活動した直後や夕方〜夜は 0.3〜0.5℃ ほど高く出やすく、朝の安静時が最も低めです。平熱を控えるときも、異常かどうかを比べるときも、同じ時間帯・同じ方法で測るのが基本です。

Q. 猫の体温はなぜ人より高いのですか?

体が小さく代謝が活発なためで、38℃ 台は猫にとって正常な状態です。人の感覚で「38℃ = 熱がある」と判断しないよう、平熱が 38.0〜39.0℃ であることを前提に数字を読んでください。

Q. 平熱を知るには何回測ればいいですか?

元気な状態で、日を変えて 3 回ほど。できれば同じ時間帯・同じ方法で測って平均を出しておくと、異常時の比較対象として使えます。健康診断のついでに測ってもらった値を控えておくのも良い方法です。

体温は、猫の不調を数字で捉えられる数少ない指標です。元気なうちに一度測って平熱を控えておく——それだけで、いざというときの判断がぐっと楽になります。


監修:Withねこ合同会社(第一アイペット損害保険株式会社 代理店)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状がある場合は必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。掲載している費用は参考レンジであり、実際の請求額を保証するものではありません。

猫の医療費への備え

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