「まだ暑いけれど、朝は涼しい」——9月の室内はこの状態が1か月続きます。人が体感で判断するとエアコンを切るのが早すぎたり、逆に朝方まで冷やしすぎたりします。猫が快適な範囲を数字で決めて、そこに合わせるのが確実です。
猫の平熱は 38〜39℃ 台で、人より1℃以上高い動物です。快適に過ごせる室温の目安は次のとおりです。
| 対象 | 快適な室温の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 成猫(短毛) | 22〜28℃ | 湿度 50〜60% が前提 |
| 成猫(長毛) | 20〜26℃ | 暑さに弱い。上限を低めに |
| 子猫(〜6か月) | 25〜28℃ | 体温調節が未熟。下げすぎない |
| シニア猫(10歳〜) | 24〜28℃ | 寒暖差に弱い。夜間の冷えに注意 |
ここで見落としがちなのが 湿度です。9月は気温が下がっても湿度が高い日が続きます。室温26℃・湿度70%は、室温28℃・湿度50%より猫にとって過ごしにくいことがあります。猫は汗で体温を下げられず、呼吸と毛づくろいで熱を逃がすため、湿度が高いとその効率が落ちるためです。
「◯日から切る」ではなく、室温計を見て判断します。
残暑の日中は、閉め切った室内が外気より高くなります。とくに西日の入る部屋、最上階、コンクリート住宅では、外が30℃でも室内が33℃を超えることがあります。留守番中は迷わずエアコンを使ってください。設定は26〜28℃、除湿を併用します。留守番時の考え方は 猫の留守番とエアコン|設定温度と停電対策 にまとめています。
室温が25℃前後で安定してきたら、冷房を送風または除湿に切り替えます。この時期に多いのが 冷やしすぎです。人が「ちょうどいい」と感じる24℃前後は、猫にとってやや涼しい側にあたります。猫が体を丸めて寝ている、日の当たる場所を探して移動している、といった様子があれば1〜2℃上げてください。
日中はまだ暖かくても、明け方に22℃を下回る日が出てきます。冷房を止めるだけでなく、猫が潜れる寝床を1つ用意します。厚手の毛布を折って置く、ドーム型のベッドを出す、といった程度で十分です。朝晩の寒暖差への備えは 朝晩の寒暖差と猫の体調|初秋の対策 で詳しく扱っています。
室温管理でいちばん確実なのは、部屋の中に温度の違う場所を作り、猫に選ばせることです。人が正解の温度を当て続けるより、選択肢を用意するほうが失敗しません。
この3つが同じフロアにあり、猫が自由に行き来できることが条件です。ドアを閉めて1部屋に閉じ込めると、この仕組みは機能しません。留守番中に部屋を制限する場合は、その部屋の中に3種類を用意してください。
この時期の不調は、夏の疲れと寒暖差が重なって出ます。次の6点を毎日30秒で確認します。
| 見る場所 | 気にする変化 |
|---|---|
| 飲水量 | 涼しくなって急に減っていないか(尿路トラブルの引き金) |
| 食欲 | 夏に落ちた食欲が戻らないまま2週間以上続いていないか |
| 便 | 硬い・出ていない(飲水量の低下が最初に出る場所) |
| くしゃみ・鼻水 | 寒暖差で増えやすい。3日以上続くか |
| 寝る場所 | 体を丸めて寝ているなら寒い、伸びきっているなら暑い |
| 呼吸 | 安静時に1分40回を超える、口を開けて呼吸している |
夏バテのサインの見分け方は 猫の夏バテサイン|残暑に見る6か所 に、毎日の確認手順は 猫の健康チェック|毎日30秒の5か所 に整理しています。
9月は、夏の疲れが出て通院が増える時期でもあります。急な体調の崩れで医療費がかさむ場面に備えておきたい場合は、こちらも参考にしてください。ペット保険「うちの子」の詳細を見る
日付では決めず、室温計の数字で決めてください。判断の基準は「日中の最高室温」です。留守番中を含めて日中の室温が28℃を超える日があるうちは、冷房を続ける前提で考えます。おおむね25〜27℃で安定するようになったら、冷房を送風や除湿に切り替えます。ここで大事なのは、外気温ではなく室温で見ることです。9月は外が27℃でも、日中に閉め切った室内が31℃を超えることが珍しくありません。とくに西日の入る部屋、最上階、鉄筋コンクリートの住宅は室温が下がりにくい傾向があります。室温計は猫が過ごす高さ、つまり床から30〜50cm ほどの位置に置いてください。人の目線の高さと猫のいる高さでは、2℃前後の差が出ることがあります。
設定温度を上げ下げするより、28℃前後で一定にしておくほうが猫には優しく、電気代の面でも有利です。エアコンは室温を下げるときに最も電力を使うため、こまめな入切は逆効果になりがちです。28℃設定なら、朝の涼しい時間帯にはほとんど稼働せず、日中に室温が上がったときだけ働きます。つまり「暑くなったときの上限を決めておく」という使い方です。加えて、除湿を併用すると同じ温度でも体感が変わります。そのうえで、暖かい寝床と涼しい床の両方を用意し、猫が自分で移動して調整できる状態にしておけば、時間帯ごとの変化には猫自身が対応します。
寒さのサインである可能性は高いですが、それだけとは限りません。狭くて囲まれた場所は、体温が逃げにくく、同時に安心できる場所でもあります。9月に入ってから急にこの行動が増えたなら、まずは室温を確認してください。猫のいる高さで22℃を下回っているなら、冷やしすぎです。ただし、体を丸めて長時間隠れて出てこない、呼んでも反応が鈍い、食欲が落ちている、といった様子が重なる場合は、寒さではなく体調不良で隠れている可能性があります。猫は不調を隠す動物で、具合が悪いときほど暗く狭い場所にこもります。温度を調整しても行動が戻らない、あるいは食欲や排泄に変化があるなら受診してください。
9月の室温管理は、日付ではなく室温計で判断することに尽きます。日中28℃超なら冷房継続、25℃を下回るなら送風・除湿、朝晩22℃を下回り始めたら暖かい寝床を足す。この3段階です。
そのうえで、涼しい床・暖かい寝床・隠れられる場所の3つを同じフロアに用意しておけば、細かい調整は猫が自分でやってくれます。人が正解を当て続ける必要はありません。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、獣医学的な診断・治療を保証するものではありません。愛猫の状態が気になる場合は、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。