「最近どうも様子が違う気がするけれど、どこがと言われると答えられない」——ねこコンシェルジュにも、こうしたご相談がよく届きます。猫は痛みや不調を表に出しにくく、はっきりした症状が出たときにはすでに進んでいることがあります。だからこそ効くのが、毎日の短い観察です。ここでは 30秒で終わる5か所のチェック と、記録しておくべき3つの数字を整理します。
撫でる時間、ごはんをあげる時間に組み込むのがコツです。特別な時間を作ろうとすると続きません。
撫でながら、手のひらで確認します。
掃除のついでにできる、最も情報量の多いチェックです。
目視の観察は主観が混じります。それを補うのが数字です。全部やろうとせず、まずは体重だけで構いません。
| 項目 | 測る頻度 | 受診を考える目安 |
|---|---|---|
| 体重 | 月1回 | 1か月で 5%以上 の増減(4kgの猫なら200g) |
| 飲水量 | 気になるときに数日 | 体重1kgあたり 1日100mlを超える 状態が続く |
| 排泄回数 | 毎日(塊の数を数えるだけ) | 尿が 1日1回以下、または明らかに増えた |
体重の測り方は、人が猫を抱いて体重計に乗り、そこから人だけの体重を引く方法が手軽です。より正確に見たい場合は、キッチンスケールにキャリーを載せて測る方法もあります。同じ方法・同じ時間帯で測る ことが、数字を比較可能にするうえで大切です。
飲水量は、ペットボトルなど決まった容器から給水し、翌日残りを測ると分かります。毎日やる必要はなく、「最近よく飲む気がする」と感じたときに数日だけ測れば十分です。
飼い主さんの違和感は、実際にかなり当たります。問題は、それを診察室でうまく伝えられないことです。次の形でメモしておくと、そのまま使えます。
受診時に伝える項目を整理したテンプレートは 動物病院で伝えること|受診メモの書き方 にまとめています。
毎日の観察は、病気を防ぐものではなく 早く見つけるための仕組み です。早期に見つかれば、検査や治療の負担が小さく済むことが多くなります。気になる変化を費用の心配で先送りしなくて済むよう、備えを整えておくのも一つの考え方です。ペット保険「うちの子」の詳細を見る
項目によって緊急度が違います。尿が出ていない・出にくそう、口を開けて呼吸している、ぐったりして反応が鈍い は、時間帯を問わず受診が必要な状態です。一方、体重が少し減った、目やにが増えた、といった変化は、2〜3日記録して傾向を見てから 予約を取る形で問題ないことが多くなります。判断に迷うときは、記録を持ってかかりつけに電話で相談してみてください。
全身を触るのは諦めて、目視でできる項目に絞ります。トイレ、食事量、動き方の3つは触らずに確認できますし、情報量としては十分です。体つきは、寝ているときに背中を撫でる範囲だけでも把握できます。少しずつ触れる範囲を広げたい場合は、おやつと組み合わせて短時間から慣らしていく方法があります。無理に押さえつけると、次から逃げるようになり、かえって観察できなくなります。
これは多頭飼いで最も多い悩みの一つです。現実的な方法は3つあります。1つ目は、猫ごとにトイレの場所を分けて様子を見ること。2つ目は、気になる子だけ数時間別室で過ごしてもらい、その間の排泄を確認すること。3つ目は、砂に色のつくタイプの製品や、個体を識別できる記録機能つきのトイレを使うことです。まずは1つ目から試すのが手軽です。
毎日の健康チェックで大事なのは、精度より 継続 です。5か所を30秒、体重は月1回。これだけでも「いつもと違う」に気づける確率は大きく上がります。
そして、気づいた変化は 日付とセットでメモする。獣医師にとって、家での経過は診察室では得られない情報です。日々の30秒が、いざというときの診断の精度を支えます。
監修:Withねこ合同会社(第一アイペット損害保険 代理店)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、獣医学的な診断・治療を保証するものではありません。愛猫の状態が気になる場合は、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。