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猫のけいれん・発作 — 受診の目安と治療費のリアル

Withねこ
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この記事の要点

  • 猫のけいれん・発作は「1回で終わったか」「5分以上続いたか」で緊急度が大きく変わります。5分以上、または短時間に繰り返す場合はすぐに受診してください。
  • 治療費の目安は、血液検査・神経学的検査までで20,000〜40,000円、抗てんかん薬と経過観察入院を伴うと80,000〜150,000円、MRIによる精密検査に進むと250,000〜400,000円が中心レンジです。
  • 発作は原因が脳だけとは限らず、腎臓・肝臓・血糖・中毒など全身の問題が背景にある可能性があります。まずは血液検査から進むのが一般的です。

愛猫が突然横倒しになり、手足を突っ張って震えている——けいれん発作は、飼い主さんがもっとも動揺する症状のひとつです。しかし、発作そのものへの対処と、そのあとの検査の進め方を知っておくだけで、動物病院での診断は驚くほどスムーズになります。この記事では、発作が起きたときの正しい行動と、検査・治療にかかる費用の実データを整理します。

発作が起きた「その瞬間」にやるべきこと・やってはいけないこと

まず押さえておきたいのは、発作中の猫に触らないということです。意識がない状態では、飼い主さんを認識できずに強く咬んでしまうことがあります。口の中に手やタオルを入れる行為も危険で、猫が舌を飲み込むことはありません。

やるべきことは次の4つです。

  1. 時刻を確認し、時間を測る:発作が始まった時刻と継続時間は、診断でもっとも重要な情報です
  2. 周囲の危険物をどける:階段・家具の角・水を張った容器などから遠ざける
  3. 可能なら動画を撮影する:どの部位が、どのように動いていたか。獣医師にとって何よりの手がかりになります
  4. 照明を落とし、静かにする:刺激を減らします

発作がおさまったあと、猫はしばらくふらつき、ごはんや水を求めたり、逆に隠れたりします(発作後期)。この時間帯も無理に構わず、静かに見守ってください。

すぐ病院へ向かうべき5つのサイン

以下に当てはまる場合は、夜間であっても救急受診を検討してください。

  • 発作が5分以上続いている(重積発作の可能性)
  • いったんおさまったが、24時間以内に2回以上起きた(群発発作の可能性)
  • 意識がはっきり戻らないまま、次の発作が始まった
  • 発作の前に、ユリ・保冷剤・観葉植物・人用の薬などに触れた可能性がある(中毒の可能性)
  • 高齢猫で、これまで一度も発作を起こしたことがなかった

一方、1〜2分でおさまり、そのあと普段どおりに戻った初回の発作であれば、緊急ではなく翌診療日の受診でも間に合うことが多いとされています。ただし「初めての発作は必ず一度診てもらう」のが原則です。

検査はどう進む? — 費用の目安【実データ】

発作の原因は、脳内の問題(頭蓋内)と、それ以外の全身疾患(頭蓋外)に大きく分かれます。肝臓や腎臓の機能低下、低血糖、中毒、感染症などでも発作は起こる可能性があるため、いきなりMRIではなく、まず血液検査から始めるのが一般的な流れです。

段階主な検査・処置費用の目安(多いレンジ)全体のレンジ
初期血液検査+神経学的検査20,000〜40,000円15,000〜50,000円
中等度血液検査+抗てんかん薬+経過観察入院80,000〜150,000円50,000〜200,000円
重度MRI+精密検査+入院管理250,000〜400,000円150,000〜500,000円
緊急救急対応+MRI+ICU管理300,000〜500,000円200,000〜800,000円

費用構造でとくに大きいのがMRI検査です。猫のMRIは全身麻酔が必須で、実施できる施設も限られるため、二次診療施設への紹介となるのが一般的です。麻酔前の検査費用も別途かかります。

また、てんかんと診断された場合は抗てんかん薬の生涯投与となることが多く、月々の薬代と定期的な血中濃度モニタリングが継続的に発生します。一度きりの支出ではなく、長期の維持費として考える必要があります。

※上記は参考レンジです。動物病院・地域・使用する検査機器によって金額は変動します。

家庭でできる記録が、診断精度を上げる

発作性疾患の診療において、獣医師がもっとも欲しい情報は「発作の記録」です。診察室で発作が起きることはまずないため、飼い主さんの記録がそのまま診断材料になります。

記録すべき項目は次のとおりです。

  • 発生した日時と継続時間(秒単位でメモ)
  • 体のどこから始まったか(顔だけ/片側/全身)
  • 意識があったかどうか、失禁・よだれの有無
  • 発作後、平常に戻るまでの時間
  • 直前の状況(睡眠中/食後/来客後 など)

発作の頻度が「月1回」から「週1回」に変化したかどうかは、投薬量の調整を判断する材料になります。スマートフォンのメモでも構いませんが、日付とセットで残る形にしておくと後から振り返りやすくなります。

長期治療になりやすい疾患だからこそ

けいれん・発作の診療は、「初回の精密検査で高額」かつ「その後は投薬と検査が長く続く」という二重構造になりやすい領域です。MRIまで進めば数十万円、その後の維持治療は年単位で継続します。

だからこそ、費用面で治療の選択肢を狭めない準備が意味を持ちます。ペット保険は、こうした「高額な一時金+継続的な通院費」の両方に備える選択肢のひとつです。ただし、補償の範囲・待機期間・継続契約の条件はプランごとに大きく異なり、すでに発症している疾患は補償対象外となるのが一般的です。加入を検討するなら健康なうちが原則となります。

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よくある質問

Q1. 寝ているときにピクピクするのも発作ですか?

睡眠中に手足や髭が小さく動くのは、レム睡眠に伴う正常な現象であることがほとんどです。声をかけて普通に起きるなら、まず心配ありません。判断の分かれ目は「意識があるか」で、呼びかけに反応せず一定時間続く場合は発作の可能性が考えられます。

Q2. 発作は一度起きたら必ず繰り返しますか?

必ずしもそうではありません。中毒や低血糖など原因が特定でき、それが取り除かれれば再発しないケースもあります。一方、特発性てんかんと診断された場合は継続的な管理が必要になります。原因を特定するために検査を行う意味は、まさにここにあります。

Q3. MRIは必ず受けなければいけませんか?

いいえ。血液検査で頭蓋外の原因が見つかればMRIは不要ですし、猫の年齢・全身状態・麻酔のリスクを踏まえて実施を見送る判断もあり得ます。費用も含めて、獣医師と相談のうえで決める性質の検査です。「今すぐ必要な検査か、いま何が分かるのか」を遠慮なく確認してください。


【監修】Withねこ合同会社(第一アイペット損害保険株式会社 代理店)

【出典】アニコム損害保険「家庭どうぶつ白書」/日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査」/Withねこ症状相談データベース(2026年集計)

【免責】本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の疾患の診断・治療方針を示すものではありません。記載の治療費はあくまで参考レンジであり、動物病院・地域・症状の重症度・検査内容によって大きく変動します。愛猫の症状について判断が必要な場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

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