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猫が耳をかく・頭を振る — 外耳炎の治療費と受診の目安

作成者: |1970/01/01 0:00

この記事の要点

  • 猫が耳をかく・頭を振る背景には、耳ダニ・細菌性/マラセチア性の外耳炎・アレルギーなどの可能性があります。
  • 治療費の目安は、軽度で 5,000〜8,000円、中等度で 15,000〜25,000円、慢性化・重度では 50,000〜80,000円 が中心帯です。
  • 「1日に何度も頭を振る」「黒い耳垢が急に増えた」「耳を触ると痛がる」が続くなら、様子見をやめて受診を検討する段階です。

耳をカリカリとかく、ブルブルと頭を振る——猫にとってはよくある仕草ですが、回数と持続日数によっては耳のトラブルのサインであることがあります。とくに耳垢の色や量が変わっている場合、放置すると治療が長期化しやすい部位でもあります。この記事では、受診を判断する具体的な基準と、実際にかかる治療費のレンジを段階別に整理します。

「よくある仕草」と「受診を考える仕草」の境目

健康な猫でも、グルーミングの流れで耳をかいたり、水や被毛の違和感で頭を振ったりします。問題になるのは頻度が上がり、それが数日続くときです。目安として次のように整理すると判断しやすくなります。

様子目安の考え方
1日に数回かく程度/耳の中はきれい生理的な範囲のことが多い。数日観察
1日に何度も頭を振る/黒〜茶の耳垢が増えた耳ダニや外耳炎の可能性。受診を検討
耳を触ると嫌がる・痛がる/においが強い炎症が進んでいる可能性。早めに受診
頭が傾く・まっすぐ歩けない耳の奥に及んでいる可能性。当日〜翌日に受診

特に見落とされやすいのが「片耳だけ」のケースです。左右で耳垢の量が明らかに違う場合、片側だけで炎症が進んでいることがあります。スマートフォンで週1回、両耳を撮っておくと変化に気づきやすくなります。

背景として挙がりやすいもの

  • 耳ダニ(ミミヒゼンダニ):黒くカサカサした耳垢が特徴とされます。子猫や保護猫で見つかることが多く、多頭飼いでは同居猫にうつる可能性があります。
  • マラセチア(酵母)性の外耳炎:褐色でベタつく耳垢、特有のにおいを伴うことがあります。湿度の高い時期に増えやすい傾向。
  • 細菌性の外耳炎:赤み・腫れ・痛みを伴いやすく、進行すると膿が出ることがあります。
  • アレルギー・食物反応:耳だけでなく、首や顔まわりも同時にかゆがることがあります。
  • 耳道内のポリープや異物:片側だけの症状が続くときに検討される可能性があります。

いずれも見た目が似ることがあり、耳垢の顕微鏡検査をしないと区別がつきにくいのがこの部位の特徴です。市販の洗浄液で自己流のケアを続けると、原因が分からないまま悪化することがあるため、耳垢の変化が続く場合は検査を受ける判断が現実的です。

治療費の目安(段階別)

耳の症状は、「どの段階で受診したか」で費用が一桁変わりうるのが実情です。以下は当社が症状カテゴリ別に整理した参考レンジです。

段階主な内容目安レンジ中心帯
軽度初診料 + 耳洗浄 + 点耳薬3,000〜12,000円5,000〜8,000円
中等度耳ダニ検査 + 洗浄 + 内服薬10,000〜35,000円15,000〜25,000円
重度・慢性精密検査 + 長期治療30,000〜120,000円50,000〜80,000円
外科対応外耳道切除などの手術80,000〜250,000円120,000〜180,000円

注意したいのは、耳のトラブルが「1回で終わらない」ことが多い点です。中等度以降では2〜4週間おきの再診で経過を確認するのが一般的で、通院1回あたり3,000〜8,000円程度が数回重なります。慢性化すると年単位の付き合いになるケースもあり、想定より総額が膨らみやすい領域といえます。

こうした「金額は大きくないが回数が読めない」費用は、家計に効いてくる部分です。通院回数が増えたときの備えを検討している方は、ペット保険「うちの子」の詳細を見ると、通院補償の考え方を確認できます。

出典:日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査」および PETPETLIFE 治療費データをもとに、Withねこが症状カテゴリ別に整理した参考レンジです。実際の金額は動物病院・地域・重症度・検査内容によって変動します。

受診前に準備しておくと診察が早い3つのこと

  1. いつから・1日何回かを数える:「3日前から、1時間に2〜3回」のように数字で伝えると経過が共有しやすくなります。
  2. 耳の中の写真を撮っておく:診察室では緊張して耳を触らせないことがあります。自宅で撮った写真が判断材料になります。
  3. 市販品の使用歴をメモ:使った洗浄液や薬があれば製品名を控えておきます。検査結果に影響することがあります。

また、受診当日は耳掃除をしないで連れて行くのが基本です。きれいにしてしまうと、検査に必要な耳垢が採取できなくなることがあります。

家庭でできる予防と、やってはいけないこと

耳は自浄作用がある器官で、健康な猫であれば頻繁な掃除は必要ないとされています。予防として現実的なのは次の3点です。

  • 月1〜2回、見るだけの点検:耳垢の色と量、においを確認する。掃除ではなく観察が目的です。
  • 湿度管理:梅雨〜夏は室内湿度を50〜60%に保つと、耳のトラブルが起きにくい環境に近づきます。
  • 新入り猫の隔離期間を設ける:保護猫や新しく迎えた猫は、健康チェックが済むまで1〜2週間は先住猫と分けると、耳ダニの伝播リスクを下げられます。

避けたいのは、綿棒を耳道の奥に入れることです。耳垢を奥へ押し込んだり、デリケートな皮膚を傷つけたりする可能性があります。見える範囲をコットンで軽く拭う程度にとどめるのが安全です。

皮膚のかゆみを同時に伴う場合は、猫が体を掻きむしる — 原因と治療費もあわせて確認すると、全身性の背景があるかどうかを整理しやすくなります。目やになど他の症状が重なるときは猫の目やにの治療費はいくら?も参考になります。

よくある質問

Q. 耳垢が黒いと必ず耳ダニですか?
いいえ。黒い耳垢は耳ダニで見られやすい特徴とされますが、マラセチアや細菌性の外耳炎でも黒〜褐色になることがあります。顕微鏡検査で区別されるのが一般的です。

Q. 市販の耳洗浄液でしばらく様子を見てもいいですか?
耳の中がきれいで、かく回数も少ない状態であれば問題になりにくいですが、耳垢の増加や痛みがある場合は自己判断での継続は避けるのが無難です。原因が特定されないまま炎症が進む可能性があります。

Q. 一度治ったのに再発します。なぜですか?
アレルギーや耳道の形状など、背景の要因が残っていると繰り返しやすいとされています。再発が多い場合は、根本にある要因を調べる方針に切り替えるかどうかを獣医師と相談する形になります。

耳のトラブルは軽症のうちなら数千円で収まることが多い一方、慢性化すると通院と費用が積み上がります。通院が続く場合の備えについては、公式ページで補償内容を確認してみてください。

監修:Withねこ合同会社(第一アイペット損害保険 代理店)

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療を目的とするものではありません。症状の判断や治療方針については必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。記載の費用は参考レンジであり、実際の金額は動物病院・地域・症状によって変動します。