この記事の要点
猫の下痢は「よくあること」と思われがちですが、続く下痢は体から水分と栄養が失われ続けている状態です。とくに体の小さな子猫では、半日〜1 日で急激に状態が悪化することもあります。この記事では、下痢の背景に考えられる原因と、重症度ごとの治療費レンジを実データで整理します。
下痢の背景にはいくつもの可能性があります。比較的多いのが食事の変化で、フードを急に切り替えた、おやつを与えすぎた、人の食べ物を口にしたといったケースです。
ほかにも、寄生虫(コクシジウム・回虫・ジアルジア等)、ウイルス・細菌感染、ストレス、炎症性腸疾患、甲状腺や膵臓の機能に関わる問題、まれに腫瘍などが原因となる可能性があります。とくに保護したばかりの子猫では寄生虫の可能性が比較的高いと言われています。
色や状態も手がかりになります。黒っぽいタール状の便は上部消化管からの出血、赤い血が混じる便は大腸側からの出血の可能性が指摘されます。ただし見た目だけで原因を特定することはできず、便検査が出発点になります。
次のいずれかに当てはまる場合は、受診を検討してください。
下痢+嘔吐の組み合わせは脱水が急速に進みます。とくに子猫では半日で危険な状態になることがあるため、様子見の判断は慎重にしてください。嘔吐の見分け方は 猫が嘔吐を繰り返す原因と治療費の目安 で詳しく扱っています。
脱水の簡易チェックとして、首の後ろの皮膚を軽くつまんで離す方法があります。すぐ戻らずゆっくり戻る場合、脱水が進んでいる可能性があります。
Withねこの症状相談ツールが参照している治療費データベースにもとづく費用の目安です。金額は税込・自己負担額の目安です。
内訳は初診料+便検査+整腸剤の処方。数日分の内服で改善するケースです。もっとも多いパターンで、1 回の通院で終わることも少なくありません。
内訳は便検査+血液検査+皮下点滴+投薬。脱水が見られる場合に点滴が加わり、原因を絞り込むための血液検査も入ります。再診が 1〜2 回必要になることもあります。
内訳は血液検査+腹部エコー+入院点滴。自力で水分を摂れない、下痢が止まらないといった状態で数日の入院管理に入るとこの範囲になります。
内訳は緊急入院+精密検査+集中治療。重度の脱水やショック状態、感染症の重症化などで集中管理が必要になったケースです。
下痢で見落とされがちなのが、再発と長期化です。食物への反応や炎症性腸疾患が背景にある場合、療法食への切り替えが必要になり、月々の食費が上がります。定期的な血液検査が続くケースもあります。
アニコム損害保険「家庭どうぶつ白書」でも、消化器系疾患は猫の保険金請求で件数上位を占め続けています。1 回 1 万円の通院が年に数回という積み上がり方をする領域です。年齢別の医療費の全体像は 猫の医療費は生涯いくら? 年齢別の平均と備え方 に整理しました。
「頻度が高く単価は中程度」の通院と、「頻度は低いが数十万円」の入院。両方に備える手段のひとつがペット保険です。補償の範囲や条件は商品ごとに異なるため、ペット保険「うちの子」の詳細を見るでご確認ください。
A. 2 日以上続くなら受診をおすすめします。元気があっても寄生虫や食物への反応が背景にある可能性があり、便検査で分かることが多いです。放置すると体重が落ちてくることもあります。
A. 元のフードに戻して改善することもありますが、下痢が続く場合は別の原因が重なっている可能性があります。フードの切り替えは 1〜2 週間かけて少しずつ混ぜていくのが基本です。
A. 猫用として販売されているものでも、原因が分からない段階での使用は改善を分かりにくくすることがあります。とくに人用の下痢止めは猫に有害なものがあるため使用しないでください。まず病院に相談することをおすすめします。
本記事の治療費は、アニコム損害保険「家庭どうぶつ白書」、日本獣医師会「小動物診療料金実態調査」、および Withねこが症状相談ツール用に整備した治療費データベースをもとにした参考レンジです。動物病院は自由診療のため、地域・病院・検査内容・重症度によって金額は大きく変動します。
また本記事は特定の病気を診断・断定するものではありません。気になる症状がある場合は、自己判断せず必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。
監修:Withねこ合同会社(第一アイペット損害保険株式会社 募集代理店)