この記事の要点
夏は蚊・ゴキブリ・コバエと虫の季節。人にとっては当たり前の虫よけグッズでも、猫にとっては安全性が大きく異なるものがあります。特に肝臓での解毒のしくみが人や犬と違うため、「犬に使えるから猫にも」が通用しないのが猫の難しさです。この記事では、猫がいる家庭での虫対策を製品タイプ別に整理します。
猫は肝臓のグルクロン酸抱合という解毒経路の一部が弱く、他の動物なら処理できる成分を体内に残しやすいことが知られています。虫対策で特に注意されるのが次の成分です。
同居犬がいる家庭は特に注意してください。犬に犬用スポット薬を付けた直後、猫がその部位を舐めたり、寄り添って眠ったりすることで曝露が起きるケースが指摘されています。投薬後は数時間、接触を避けられる環境を作るのが安全です。
市販の蚊取り製品の多くはピレスロイド系(除虫菊由来の成分やその類似成分)です。哺乳類では比較的分解されやすいとされ、用法どおりの使用であれば通常は問題になりにくいと説明されることが一般的です。ただし前提条件があります。
使用時は猫を別の部屋へ移し、噴霧後は十分に換気してから戻します。注意したいのは床や壁に残った薬剤で、猫は肉球を舐めるため、間接的に摂取してしまいます。噴霧した場所は乾いた後に拭き取っておくと安心です。猫の食器・水皿・爪とぎ・ベッドには絶対にかからないようにしてください。
もっとも慎重な扱いが必要なタイプです。手順の目安は次のとおりです。
観賞魚がいる場合は水槽の対応も別途必要です。製品の注意書きを必ず読んでください。
誤食のリスクがもっとも高いカテゴリです。猫は小さな物を前足で転がして遊ぶ習性があり、置き型ベイトは格好のおもちゃになります。使うなら冷蔵庫の下、シンク下の奥、家具の裏など物理的に前足が入らない場所に限定してください。ホウ酸団子は特に、猫が口にすると危険とされます。
玄関やベランダに吊るすタイプは、猫が届く高さだと噛んだり舐めたりする可能性があります。設置は猫のジャンプ範囲より上、あるいは猫が入らない空間に。
もっとも安全なのは、そもそも虫を入れないことです。
次のような症状が出た場合は、様子を見ずにすぐ動物病院へ連絡してください。
受診時は製品のパッケージまたは写真を持参してください。成分が分かると対応が早くなります。無理に吐かせようとするのは危険な場合があるため、自己判断で行わないでください。
誤飲・中毒が疑われる場合の緊急度の考え方と費用の目安は 猫が誤飲したかも — 緊急度と治療費 に整理しています。中毒での救急対応は入院を伴うと十数万円規模になることがあり、こうした突発的な高額出費に備える手段のひとつがペット保険です。補償の範囲は商品ごとに異なるため、ペット保険「うちの子」の詳細を見るでご確認ください。
なお、夏の留守番中の室温管理については 夏の留守番 エアコン設定の正解 もあわせてご覧ください。虫対策で窓を閉め切る場面が増えるぶん、室温管理はセットで考える必要があります。
A. 換気をしながら用法どおりに使い、猫が部屋から自由に出られる状態であれば、通常は問題になりにくいとされています。ただし締め切った狭い空間での連続使用は避けてください。やけどと転倒の危険もあるため、置き場所は猫の動線から外してください。
A. 「天然=猫に安全」ではありません。猫は精油成分を代謝しにくいことが知られており、ティーツリーやシトロネラなどは注意が必要とされています。ディフューザーでの常時使用は避け、使う場合は必ず換気と逃げ場の確保を。
A. 必ず種別専用の製品を、それぞれに処方されたものだけ使ってください。犬用を猫に使わないのはもちろん、犬に投薬した直後は猫が舐めないよう数時間分けておくのが安全です。予防薬は動物病院で相談すると、同居環境に合わせた製品を選んでもらえます。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の病気を診断・断定するものではありません。気になる症状や変化がある場合は、自己判断せず必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。
監修:Withねこ合同会社(第一アイペット損害保険株式会社 募集代理店)