猫は痛みを隠します。犬のように足を上げて歩くケースは少なく、代わりに「やらなくなる」形で表れるため、飼い主からは老化や性格の変化に見えてしまいます。この記事では、自宅で月1回できる歩き方チェックの手順と、受診を考える目安をまとめます。
後ろ足は、猫の運動能力の中心です。ジャンプの踏み切り、着地の衝撃吸収、トイレでの姿勢維持、毛づくろいのときの体勢。どれも後肢と腰まわりが支えています。ここに不調が出ると、以下のような「一見関係のない変化」として現れます。
これらは「歳だから」で説明できてしまうため、見過ごされやすい変化です。実際には関節炎、外傷、椎間板の問題、まれに神経や血栓の異常が背景にあることもあります。
廊下など、まっすぐ5m以上歩ける場所を用意します。猫の後方に立ち、名前を呼んで前方へ歩かせ、真後ろから観察します。見るのは3点です。
スマートフォンで10秒ほど動画を撮っておくと、翌月と比べられます。これが最も価値のある記録になります。
普段使っている30cm程度の段差(ソファ、階段の一段)を上り下りさせます。おやつで誘導すれば十分です。
「降りるのを嫌がる」は「登れない」より早く出ることがあります。降りる動作のほうが関節にかかる衝撃が大きいためです。
リラックスしているときに、後ろ足を付け根から足先へゆっくり撫でおろします。強く握らず、表面をなぞる程度で構いません。
足先のトラブルは歩き方に直結します。肉球のケアについては猫の肉球ケアを、伸びすぎた爪が歩行に与える影響については猫の爪切りの頻度とコツをご覧ください。爪が伸びすぎて肉球に食い込んでいるケースは、歩き方の異変の原因として実際によくあり、しかも爪を切るだけで解決します。まずここを確認する価値があります。
| 状態 | 対応 |
|---|---|
| 後ろ足が急に動かない・冷たい・大きな声で鳴く | すぐに受診(血栓症の可能性。時間が予後を左右します) |
| ふらつく、まっすぐ歩けない、同じ方向に傾く | 当日〜翌日に受診 |
| 明らかに片足をかばう状態が2日以上続く | 受診を推奨 |
| 登らなくなった状態が2週間以上続く | 受診を検討 |
| 触ると特定の場所を嫌がる | 受診を検討 |
| 爪が伸びすぎている | まず爪切り。改善しなければ受診 |
| 段差での一瞬のためらいのみ、他は普段どおり | 1か月後に再チェック |
受診の際は、自宅で撮った歩行の動画を持参してください。診察室では緊張して普段の歩き方が出ないことが多く、動画があるかないかで得られる情報が変わります。
関節の不調は、一度の受診で終わらず、投薬や通院が続く形になることが多い領域です。年齢とともに増えていく通院を負担なく続けたい方は、ペット保険「うちの子」の詳細を見ると選択肢が整理しやすくなります。
A. 老化でも活動量は落ちますが、「登れるが登らない」の裏に痛みがあることは少なくありません。痛みが原因の場合、治療によって行動が戻ることがあります。年齢で片づける前に、一度診てもらう価値があります。
A. 変化を見つけるには比較対象が必要なので、健康なうちから始めるのが理想です。若い時期の歩行動画が1本あるだけで、数年後の判断がずっと楽になります。7歳を過ぎたら月1回を習慣にしてください。
A. 出ます。若い猫の場合は加齢性の変化より、外傷(落下、ドアへの挟まれ、爪の折れ)や異物によるものが多くなります。前日まで普通だったのに急に変わった場合は、年齢に関係なく確認してください。
監修:Withねこ合同会社(第一アイペット損害保険代理店)
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療方針を示すものではありません。症状の判断は必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。