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アビシニアンがかかりやすい病気と医療費

アビシニアンがかかりやすい病気と医療費

しなやかな体つきと、一本の毛に濃淡が入る「ティッキング」の被毛。アビシニアンは猫種のなかでも特に活動的で、飼い主とよく遊ぶ猫として知られます。一方で、この品種には遺伝的に注意が向けられている疾患がいくつかあり、若い時期から兆候が出るものも含まれます。この記事では、アビシニアンで気に留めておきたい病気と、検査・治療にかかる費用の目安を整理します。

この記事の要点(3 行サマリー)

  • アビシニアンで注意が向けられているのは主に目・血液・腎臓の 3 系統。いずれも初期には見た目の変化が乏しく、飼い主が気づきにくいのが共通点です。
  • 目の変化は「暗い場所でぶつかる」「瞳孔が開きっぱなし」から疑われることが多く、明るい室内での様子だけでは進行に気づけません。
  • 健康診断は 1 回 2 万〜3 万円(血液検査 + 尿検査 + レントゲン)が目安。若齢からの年 1 回で、初期の異常を数字として拾えます。検査項目の詳細は猫の健康診断は何をいくら?費用と検査項目の目安を参照してください。

アビシニアンで注意しておきたい病気

以下は品種として関連が指摘されている疾患であり、すべてのアビシニアンが発症するという意味ではありません。あくまで「この猫種を迎えたら頭の片隅に置いておく項目」として読んでください。

系統注意される疾患気づきのきっかけになりやすい様子
進行性網膜萎縮(網膜が徐々に機能を失っていく病気)暗い部屋で物にぶつかる、段差を踏み外す、瞳孔が大きく開いたまま
血液ピルビン酸キナーゼ欠損症(赤血球が壊れやすくなる遺伝性の病気)疲れやすい、遊びが続かない、歯ぐきや耳の内側が白っぽい
腎臓腎アミロイドーシス(腎機能の低下につながる異常なたんぱくの沈着)水を飲む量・尿量の増加、体重が徐々に減る
歯肉炎・歯周トラブル口臭、口を気にする、硬いフードを避ける
心臓肥大型心筋症呼吸が速い、遊んだあとに息が戻りにくい

特徴的なのは、上 3 つがいずれも急に倒れるのではなく、じわじわ進むタイプだという点です。アビシニアンはもともとよく動く猫なので、「最近ちょっと大人しい」を年齢のせいと解釈してしまいやすく、これが発見の遅れにつながります。

目の変化に気づくための家庭でのチェック

網膜の異常は、明るい室内では猫が記憶と髭で問題なく動けてしまうため、日中の観察では見つかりません。次の 3 点を意識してください。

  • 薄暗い時間帯の動きを見る。夕方、照明をつける前の 5 分間に、家具の角にぶつかる・跳び乗りを失敗するといった変化がないか
  • 瞳孔の大きさ。明るい場所でも瞳孔が縦に細くならず、丸く開いたままの状態が続いていないか
  • 模様替えの直後の様子。家具の配置を変えたときに、明らかに動きがぎこちなくなるか

これらに当てはまる場合、必ずしも網膜の病気とは限りませんが、眼科的な確認の対象にはなります。自己判断で様子を見続けず、動物病院で相談してください。

検査・治療にかかる費用の目安

場面費用の目安(円)主な内訳
年 1 回の健康診断1.5 万〜4 万
(典型 2 万〜3 万)
血液検査 + 尿検査 + レントゲン
シニア期の健康診断3 万〜8 万
(典型 4 万〜6 万)
血液検査 + エコー + 心電図
体重減少の原因を調べる2 万〜8 万
(典型 3 万〜5 万)
甲状腺検査 + エコー + 内服薬
元気がない・精密検査と入院6 万〜30 万
(典型 10 万〜20 万)
エコー + 精密検査 + 入院
全身麻酔での歯石除去3 万〜8 万
(典型 4 万〜6 万)
全身麻酔スケーリング
重度の歯周トラブルで抜歯手術6 万〜25 万
(典型 10 万〜18 万)
全抜歯手術 + 入院

出典:日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査」および PETPETLIFE 治療費データをもとに、Withねこが症状カテゴリ別に整理した参考レンジです。実際の金額は動物病院・地域・重症度・検査内容によって大きく変動します。

費用の面で押さえておきたいのは、アビシニアンで注意される疾患の多くが一度きりの支出では終わらないという点です。腎機能の低下や血液の異常は、定期的な再検査と継続的な内服・食事管理を伴います。1 回 3 万〜5 万円の検査を年に数回、という形で積み上がっていく費用構造になります。

こうした継続的な支出への備えを検討する場合は、加入できる条件が年齢と健康状態に左右される点に注意が必要です。詳細はペット保険「うちの子」の詳細を見るで確認できます。

迎えたときにやっておくこと

1. ブリーダー・譲渡元に遺伝子検査の有無を確認する

進行性網膜萎縮とピルビン酸キナーゼ欠損症は、いずれも原因となる遺伝子変異が特定されており、親猫の検査結果が判明している場合があります。迎える段階で確認できるなら、それが最も確実な情報です。すでに迎えたあとでも、動物病院を通じて検査を相談できます。

2. 若いうちに「基準値」を取っておく

血液検査の数値は個体差が大きく、健康なときのデータがないと、異常が出たときに「元からこの値なのか、変化したのか」が判断できません。1〜2 歳の元気な時期に一度きちんと測っておくことが、後年の判断材料になります。

3. 体重を月 1 回記録する

腎臓の問題は体重の緩やかな減少として表に出ることがあります。人が抱いた感覚では 200〜300 g の変化はまず分かりません。月 1 回、同じ体重計で測って記録するだけで、半年後に振り返れる情報になります。

4. 運動欲求を満たす環境を用意する

アビシニアンは運動量が多く、上下運動を好みます。退屈は問題行動だけでなく、肥満を通じて健康面にも影響します。垂直方向の動線を確保してください。

よくある質問

Q. アビシニアンは病気が多い猫種なのですか。

A. 「多い」というより、注意すべき疾患がはっきりしている猫種と考えるのが実態に近いです。遺伝子検査で事前に把握できる項目があること自体は、対策を立てやすいという意味ではむしろ有利に働きます。

Q. 平均的な寿命はどのくらいですか。

A. 一般的な家庭猫と大きく変わらない範囲とされます。ただし腎機能に関わる問題が生じた場合は、管理の開始時期が経過に影響し得るため、早期の検知が重要になります。

Q. ソマリとは健康面で違いがありますか。

A. ソマリは長毛のアビシニアンにあたる猫種で、遺伝的背景を共有しています。上に挙げた注意点は概ね共通し、加えて長毛ゆえの毛玉・グルーミング負担が上乗せされると考えてください。

Q. ほかの猫種の傾向も知りたいです。

A. 品種ごとの好発疾患と費用の目安は個別に整理しています。同じく比較的デリケートとされる短毛種の例としてロシアンブルーがかかりやすい病気と治療費の目安もあわせてご覧ください。


監修:Withねこ合同会社(第一アイペット損害保険株式会社 代理店)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を目的とするものではありません。記載した疾患は品種として関連が指摘されているものであり、個体が必ず発症することを示すものではありません。気になる症状がある場合は必ず獣医師にご相談ください。

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